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【失業とは】『経済学入門マクロ編』ティモシーテイラー

 

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編

 

 【本の概要】

スタンフォード大の“最優秀講義賞”を獲得した授業を再現した経済学入門書のマクロ編。

池上彰さんが「経済通になれます!」と帯でお墨付きの一冊。

【アマゾンの紹介】

「ある国の経済が成長したからといって、ほかの国が貧しくなるわけではない」

 

【目次】

第1章 マクロ経済とGDP

第2章 経済成長

第3章 失業率

第4章 インフレ

第5章 国際収支

第6章 総需要と総供給

第7章 インフレ率と失業率

第8章 財政政策と財政赤字

第9章 景気対策

第10章 財政赤字と貯蓄率

第11章 お金と銀行

第12章 中央銀行と金融政策

第13章 金融政策の実践

第14章 自由貿易

第15章 保護貿易

第16章 為替相場

第17章 国際金融危機

第18章 世界経済をどう見るか

 【ポイント】

◆1、失業は賃金が高いために労働の供給量が需要量を上回る状態

不景気で労働力の需要が減ったとしても、労働者の給料が急に下がることはありません。値段が下がる代わりに、失業者の数が増えるのです。

自分のスキルや経験に合った給料の仕事を探しても、仕事が見つからないからです。

◆2、失業は企業が賃金を下げられないから

賃金が下がりにくい理由については、これまでに多くの経済学者が研究を重ねてきました。たとえば最低賃金法労働組合の取り決めのせいで、下げたくても下げられないというのも理由の一つです。

しかし、最低賃金労働組合が影響してくるのは、アメリカの労働者のなかでもかなり少数派になるはずです。

そうなると、考えられる理由はいわゆる暗黙の契約です。契約書には明示されていませんが、給料はめったなことでは下がらないという、いわずもがなの前提があるのです。(中略)

ですから企業は景気が悪くなって労働需要が減っても給料を下げず、むしろ新しい人の採用をやめたり、場合によっては仕事ができない人を解雇したりするほうを選びます。

 ◆3、失業が増えるとなぜ困るのか?

社会全体のレベルで見れば、失業率の増加は経済の縮小を意味します。

人々が仕事を失えば、そのぶん生産量が減ってしまうからです。

たとえば、2010年のアメリカのGDPは14.6兆ドルでした。

このとき、もしも失業率が1%改善されていたら、生産物が1%増えるわけですから、1460億ドルもの価値が生まれていたことになります。

 ◆4、2つの失業の種類

経済学では、一般的に、失業を2つの種類に分けて考えます。

自然失業と、景気の変動による失業です。

景気の良し悪しに関係なく、別の理由で失業している人の割合を自然失業率と呼びます。これは労働者と企業の自然な揺らぎのなかで生じるものとされています。(中略)

その根底には、ビジネスに関する制度があります。さまざまなルールによって、人びとの労働意欲や企業の採用意欲が変わってくるということです。

たとえば、土地利用の規制で新たな工場をつくることが難しくなれば、新たな人を雇う動機は減ります。また、従業員全員に特定の福利厚生を付与することが義務付けられれば、採用意欲は大きく落ちてしまうでしょう

◆5、失業率は景気によって揺れ動くが一定の自然失業率がベースにある 

アメリカの場合、自然失業率はおよそ5~6%であると考えられます。

◆感想

○監訳者まえがきにあるように、この本で取り上げられる例はアメリカのものですから、日本とは事情が異なる場合が多くあるように見受けられます。

ただ経済指標の見方には洋の東西は無いでしょう。

第1章のGDPの説明から始まり、財政政策、金融政策の効果の検証までマクロな視点の経済分析を学べる一冊になっています。

そして、アメリカの例を読み進めていくと、必然日本の現状はどうなっているのかを知りたくなってきます。本書を脇に置きつつ経済指標を読み解くことで、知識は本物となり、自分なりの解釈を示せるようになります。

 

○上には失業について取り上げました。

失業に関する定説はいくつかありますが、企業の賃金を下げられないからという説明は初耳でした。日本の論調では、自助努力の欠如といった失業者自身へ原因を求めるものが多く聞かれます。ですが、それだけではなく、企業と就業者間の賃金を下げないという暗黙の了解にもあると著者は説いています。

また景気によって変動しない失業率もあること、そしてそれは労働市場の「ゆらぎ」が生み出しているものだそうです。

こちらも経済学部出身のくせに自分には目新しいものでした。

 

○今回はマクロ編を読んでみました。で、いろんなところに書かれてるんですが、著者はミクロ編を読んでからマクロ編を読んでほしいという希望があったそうです。知らずに順番を無視してしまいました。それはアマゾンの優秀なアルゴリズムがミクロ編を一切示すことなくマクロ編だけをお勧めしてきたからで。

実際マクロ編を読み終えた今、ミクロ編も注文してみました。

両方読み通すことで新しく知れることもあるに違いないはず。