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【甘い物通貨?】『「通貨」を知れば世界が読める』浜矩子

 

「通貨」を知れば世界が読める (PHPビジネス新書)

「通貨」を知れば世界が読める (PHPビジネス新書)

 

【概要】

「通貨とは何か」から「二十一世紀的通貨」まで通貨に関する知識が盛りだくさんの一冊ですが、なかでも第二章の「基軸通貨を巡る国々の興亡」は必見です。

英シティの繁栄金本位制の復活、迫り来るアメリカの影、ケインズの打倒金本位制の執念、通貨戦争、パックスアメリカーナ、プラザ合意、ユーロと東西ドイツの誕生などなど。

 これからの通貨の流れを知りたい人、これまでの通貨の流れがどのようなものだったかを知りたい人も同様に楽しめる一冊です。

 

【アマゾンの紹介】

「超円高」「ユーロ危機」を予見したと各界で話題沸騰! 
ついに20万部を突破したベストセラー&決定版通貨論が本書だ。 

なぜ我々は「円高・円安」に一喜一憂しなくてはならないのか、そもそも「通貨」とは何なのか……。 
そんな壮大なテーマを、人気エコノミストがわかりやすくも刺激的に説いていく。 

【目次】

第1章 我々はなぜ、通貨の動きに一喜一憂するのか?

第2章 基軸通貨を巡る国家の興亡

第3章 通貨の「神々の黄昏」

第4章 これからのドル、ユーロ、そして円と日本

終章  来るべき「二十一世紀的通貨」のあり方とは?

 【ポイント】

◆1 通貨の力=国の力、だった

貨幣が通貨として力をどれだけ持つかは「通用性」をどれだけ持つかによって決まってくる。それはすなわち購買力でもある。いずれにせよ、この通貨なら受け取っても大丈夫だろう、持っていれば幅広く使えるだろうと多くの人に認識してもらえるかどうかによって、通貨の値打ちは決まってくる。

これがほぼ「国力」と一致することになる。国力とは何か、という定義は厄介だが、経済的に発展しており、破綻する心肺もない国の通貨のほうが、赤字だらけで経済も低迷しているような国の通貨よりも高く評価されるのは理の当然だ。

いや、正確には「かつてはそうであった」と言うべきかもしれない。

なぜなら、こうした単純な理屈では説明のつかない事態が世界中で進行しているからだ。複雑化してしまった国際関係において、様々な思惑が「あるべき場所」に通過が落ち着くことを妨げているのだ。

◆2 プラザ合意は「ドルをそっと見放す」試みだった

プラザ合意とは一言で言えば、これ以上のドル高を是正することで各国が合意する、ということであった。アメリカのご都合主義のとばっちりを食うことに対して、その他の国々が拒否権を発動した場面だったと言っていい。

国々のそうしたスタンスに対して、アメリカは最終的に譲歩せざるをえなかった。このことが持つ意味は重要だ。要は、アメリカがドルの行方に関する第一義的な決定力を失ったということである。その意味で、プラザ合意の成立は基軸通貨としてのアメリカの威信の低下を大きく決定づけたイベントだったと言っていいだろう。

プラザ合意は、いわば「ドルをそっと見放す」ことを目指す試みだった。かつてはアメリカのドル安容認が世界を振り回すことはけしからんと言われた。アメリカがドル安を放置することで世界が迷惑を蒙るというので、欧州諸国が盛んに目くじらを立てる場面があった。それがニクソンショックに到る過程の状況だった。

ところが、プラザ合意の時点ともなれば、もはや、ドル安放置の主体はアメリカではなくアメリカ以外の世界になっていた。世界がドルの価値低下を容認する。そして、それにアメリカも同意せざるをえない。それがプラザ合意の力学だった。自国通貨の価値をどうするかについて、アメリカは自己決定能力の減衰を肌で思い知らされる。それがプラザ合意という場面の意味するところであった。 

◆3 基軸通貨であることを放棄したアメリカ

ここまで、いわば外枠的なドル減価要因(ニクソン・ショックリーマン・ショック)が整えば、それだけで十分すぎるくらいのドル安展望材料が整う。しかも、それに加えて、このところはアメリカ自身のドル安待望感が際立つようになっている。いち早く金本位を放棄しながら、基軸通貨特権、すなわち自国通貨で借金ができるという有利さには固執してきたアメリカだが、ここにきて、ついにその発想も変わってきたようだ。(中略)

この注目の大演説の2010年版においてオバマ大統領は、「向こう五年間でアメリカの輸出を倍増させる」という輸出倍増宣言を打ち出した。(中略)

輸出立国を目指すということは、通貨政策上は「ドル安」のほうがいいということになる。しかも、今のアメリカの状況を考えれば、相当にアグレッシブなドル安政策を展開しないことには、輸出倍増は叶わないだろう。つまり、「輸出倍増計画」は、すなわちドル安容認宣言に他ならない。

◆4 ユーロから地域通貨の可能性へ たとえば「甘い物通貨」

そのころから筆者は、どうも地域通貨に明日の通過探しの一つの鍵があるのではないかと考えていた。それがあって、ユーロ談義の中に地域通貨の話題を投じてみた。すると、我が議論相手は、しばし考え込んだ。そして次のように言った。

「自分も地域通貨には関心がある。実際にも、イタリアの多くの地方自治体や地域共同体は、地元だけで通用する地域通貨を持っている。ご存知のとおり、その実態は要するに地域限定商品券のようなものだが、その発祥の経緯は様々だ。現に、私はキャンディーから地域通貨が生まれた事例を知っている」(中略)

 

ユーロ導入前のイタリアは、通貨単位がリラだった。ご記憶の向きは多いだろう。このリラという通貨がどうしようもないインフレ通貨で、モノの値段がやたらと金額が張ってしかたがなかった。へたをすれば、絵葉書一枚が何万リラもするような状態だった。(中略)

小銭不足に陥った町のお店の店主たちは、いたしかたなく、お釣りの代わりに小粒のチョコレートや飴玉などを買い物客に手渡すことにした。(中略)

これが、実はなかなか評判がよかった。(中略)

こうして、「甘い物通貨」は存外にしっかり定着することになった。ところが、そうなると、こんどは次の問題が出てきた。

お店屋さんたちは、いつも、キャンディーやチョコレートを用意しておかなければならない(中略)

そこで、賢い店長さんたちは次の一計を案じた。スイーツの現物を、「引換券」に切り替えたのである。

 

 【感想】

通貨の話が好きです。もっといえばお金がまつわる話が好きです。

自分のその基礎は「うわさのズッコケ株式会社」にあるんじゃないかと。

これが大好きだったんです。何度読み返したかしれない。図書館で借りた本をあそこまでボロボロにしたのもあれが最初で最後です。

なぜお金の話が好きか。自分がお金が好きだからというのももちろんありましょう。

けどもっと本心に近いのは、お金を稼ぐ話には、必ず稼ぐためのアイデアがそこにあるからだと思い当たりました。

お金が好きというよりは、そのアイデアが好きなのですね。って言っとけば金好きって謗りも逃れられそうな気もするし。

 

まぁ、それはともかく今でも通貨にまつわる話は興味があります。

 ただなかなか経済用語が多くて小難しくてとっつきにくい。では一つずつ知っていこう、

ということで、経済の本を何冊か読んでいるんですが、今回取り上げたのは「歴史」です。

歴史ですから、当然、なかなか情報量の多いお話でしたが、著者の語り口はすっきりとわかりやすいもので、流れがすんなり頭に入ってきました。

この本を基本にして、歴史の詳細を調べていくのもいい気がします。