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【なぜあなたは書かなくてはならないか】『伝わる・揺さぶる!文章を書く』山田ズーニー

 

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

 

 【前フリ】

文章を書く機会がふえてきました。ブログをはじめたこともそうですし、パソコンに向かってキーたたく時間が増えました。

そうすると、やっぱりうまくなりたい。自分の意思を正しく伝えたいと思うようになりました。

そこでレヴューで絶賛の多かったこの新書を手に取りました。twitterでよく山田ズーニーさんのお名前を聞いていたのも決め手でした。

 

kindleで購読したのですが、ハイライト機能をバンバン使うことになりました。

響く言葉の多いこと。いつもはマインドマップに要点をまとめるのですが、どうしても全文引用したいところが目白押しで、マインドマップの余白が埋まってしまって足りないほどに。

 

amazonの紹介】

お願い、お詫び、議事録など、私たちは日々、文章を書いている。どんな小さなメモにも、そこには読み手がいて、目指す結果がある。ではそのような場面で、どうしたら誤解されずに自分の思いを伝え、読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?

著者は長年、高校生の小論文指導に携わり、現在は糸井重里氏のサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』で「大人のための小論文教室」を連載し人気を博している。本書では「意見」「望む結果」「論点」「読み手」「自分の立場」「論拠」「根本思想」の七つの視点から、よい文章を書くための戦略をアドバイス。「自分の意見が見つからないときは、小さな問いを立ててみる」「テーマと論点の違いを意識する」などのユニークなノウハウを、具体的な文例を紹介しながら、解説していく。

単なる文章のテクニックをこえ、自分の頭で考え他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、コミュニケーションの本質に迫る一冊である。

 

【目次】

プロローグ 考えない傷

第1章 機能する文章を目指す

第2章 7つの要件の思考法

第3章 伝わる・揺さぶる!文章の書き方―実践編

第4章 より効果を出す!テクニック―上級編

第5章 その先の結果へ

 

 【ポイント】(※文末のno.はキンドルの通し番号です)

◆1 書くことは考えることだ。

書くことは考えることだ。だから、書くために必要なことを、自分の頭で考える方法がわかれば、文章力は格段に進歩する。no.241

 書くために考えろ。では何を考えればよいのか、詳論に入っていく前にプロローグは以下の文章で締めくくられます。

自分以上にいいものを書く必要はない。しかし、自分以下になってはいけない。だからこそ、書くために必要なのは、「考える」ことだ。(中略)

だから、自分を自分らしく外に向かって発現するために、さらに、自分の書いたもので相手を揺り動かすために、「何と何を考えればよいのか」、それらを「どう考えていけばよいのか」を、本書は具体的な方法として提案する。ちょっとした方法を手に入れるだけで、あなたの文章は確実に進歩する。

ただ、方法を手にしても、考えることは、もともと孤独で辛い作業だ。考えて、問題点がはっきりしたとしても、それは予想以上に厳しい現実かもしれない。例えば、想像以上の相手との距離、非力な自分の立場、これが自分かと疑うような本心に気づくことになるかもしれない。

しかし、それでも思考を前にすすめたとき、見えてくるのは、他のだれでもない「自分の意思」だ。

さらに、自分の意思を書き表すことによって、人の心を動かし、望む状況を切り開いていけるとしたら、こんなに自由なことはない。本書を踏み台に、そういう自由をあなたに味わってほしい。no.413

 

◆2 豊かな表現力は幻想

いい文章とは何か?芸術家ではない一般的な僕らにとって、いい文章とはどのような文章を指すのか。筆者は小学生以降の「こくご」で求められた「豊かな表現力」という概念によって、「文章の善し悪しは、とらえどころがないものだ」と思い込むようになったと振り返る。

だがその思い込みは、高校生の文章教育を指導するようになっても続いていた。

これでは、文章の上達は、センスや才能という陥穽にはまり込むし、指導するにも、感性を磨くために絵を見たり、価値観を押し付けたり、頑張って書けなどの精神論に頼ったりで、指導方針は確固たるものにならない。

ところが、文章の「ゴール」、つまり、その文章は、最終的にだれに読まれ、どうなることを目指すのか、に着目すると、驚くほど、いろいろなことが見えてきた。(中略)

そんな、あたりまえのことに気がついてから、もう、文章指導は、無から有を生むような、茫漠とした仕事ではなくなった。no.468

文章の善し悪しは、目指すゴールによって違う。芸術作品はともかく、私たちが、仕事や日常で書く文章は、考えれば、読み手や目指す結果がはっきりしたものが多い。まず、ゴールを明確にすること。そして、ゴールから逆算して必要なことを、必要なレベルまでやればいい。no.479

 結果をイメージすること。

たとえばお詫びの手紙のゴールは「信頼回復」であり、小論文なら「説得」になる。

高校生の文章指導をしつつ、自分自身も仕事で様々な文章を書くようになった私は、今の文章教育に、生活のなかで「機能する文章」という領域がすっぽり抜けているのを感じずにはいられなくなった。no.491

◆3 めざすべき「機能文」にするために

目標は機能する文章となった。

機能文とは、自分が言いたいことをはっきりさせ、その根拠を示して、読み手の説得・共感を得る文章no.584

では、その機能する文章を書くために、何を考えていけばよいか。

本書では7つの要件が挙げられる。

1.意見

2.望む結果

3.論点

4.読み手

5.自分の立場

6.論拠

7.根本思想

 第2章からは、これら7つの要件を具体例を交えて、それぞれ「どう考えていくか?」が示されていきます。

ここでは「1.意見」の項目からいくつかご紹介。

 

◆4 意見とは「問い」である。

意見とは、自分が考えてきた「問い」に対して、自分がだした答えである。no.614

 

意見と問いは呼応している。いい意見を出す人は、「問い」も深い。「問い」が浅薄だと、意見もそれなりになってしまう。no.625

 

自分で「問い」を立て、自分で「答え」を出す、さらに、その答えに、新しい問いを立てる。問い→答え→問い→答えを繰り返していくことで、考えは前に進む。no.674 

 

「答え」の方は、意識しなくても探しているものだ。常に意識しなければならないのは、問い。「問い」を発見することだ。no.759 

 

【感想】

読み終えて、評価が高いのも納得の一冊でした。

「機能する文章」という新しい視点が得られたのがまずうれしい。いままで、何を書こうかと悩むことが多かったですが、読んだあとでは、目指すべきゴールに到達するために、一つ一つ問いを立てることで着実に前に進んでいる感覚を得られるようになりました。

加えてこの本には、読者に「何を書くべきか」に答えを与えるだけでなく、「あなたは書いていいんだよ」というメッセージが多く盛り込まれていて勇気付けられます。

個人的にkindleで購入してよかったなと。

これから文章を書くのことに迷って立ち止まることになったとき、何度も読み返すことの間違いない一冊です。