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【説明はサービス】『「分かりやすい説明」の技術』藤沢晃治

 

 

みんな大好き講談社BLUE BACKSシリーズから1冊。

その中でも有名な藤沢晃治さんの『わかりやすい~技術』シリーズから今回は説明版。

前職で毎日人前に立っていました。そのときに自分なりに気をつけてた点と重なる点も多く載っていてうれしく思うと同時に、その頃出会ってれば、より「分かりやすい説明」ができたろうになぁとも。

副題に「最強のプレゼンテーション15のルール」とありますが、「最低限の」と言い換えてもいいくらいに基礎的なことが網羅されてます。巻末にチェックポイントがまとめられてますので、直前に読み返すのが有効な使い道となるでしょう。

 

 【アマゾンの紹介】

あなたは説明下手で誤解されていませんか?なぜ分かりにくい説明になるのか、「分かる」とはどういうことなのか。そこから考えて生み出された説明上手になるための15の法則。これで必ず納得してもらえる 

【目次】

第1章 「分かる」とはどういうことか

第2章 説明術・基礎編

第3章 説明術・応用編

第4章 「分かりやすい説明」のチェックポイント

 

 【ポイント】

◆1 世の中は分かりにくい説明であふれている。

筆者は「分かりやすい説明の技術」を披露する前に、「分かりやすい説明」の定義へと向かいます。その手前で「知らせる」と「説明」の違いが説かれます。

相手を「知っている状態」にすることが「知らせる」ことで、

相手を「分かっている状態」にすることが「説明する」ことと言えます。

「説明」の最終目標は、聞き手が「知る」ことではなく、「分かる」ことです。p26

 

 これはなるほどと感心しました。恥ずかしながら、十年近く「説明する」職業に就いてながらこの二語の違いに思い至っていませんでした。

そして世の中は「説明する」気のみられない「お知らせ」に満ちていると感じました。

特に初めて訪れた場所では、自分は必ず迷子になります。

自分の方向音痴も主因ではあるでしょうが、著者も「分かりにくい説明」の例としてあげている交通標識にも原因を求められるはずだと気を強くしました。

  

 「分かりやすい説明」=「脳内関所を通過しやすい説明」p27

と「分かりやすい説明」の定義されます。

 ここで分かりやすい説明が「脳内関所を通過しやすい」情報を送ることとされたので、今度は著者のいう「脳内関所」がどのような仕組みなっているかを知っていきます。

どのような仕組みになっているかを知っていれば自然、説明もそれを目指すことが出来るためです。

 

 ◆2 脳内関所の作業項目5つと「分かりやすい説明」の定義

その通過すべき脳内関所の作業項目は5つあります。

1情報の大きさチェック

2たくさんある脳内整理棚の中から適切な一個を選ぶ

3情報のムダを省く

4論理的かチェックする

5脳内整理棚の最終一区画を決定する p30

1、情報の大きさが大きすぎると頭に入ってきません。例えば、十桁の数字など

2、カテゴリー決定

3、ポイントをつかむ

4、論理性の審査

5、過去の情報と照らしあわせ構造が一致する場所か、新しい概念ならばあたらしい区画に「分かった」という感触とともに格納されます。

 

「分かりやすい説明」とは、こうした「脳内関所」の作業負担を軽くする説明のことです。

 

◆3 説明術・基礎編

ここから内容は第2章の説明術・基礎編に入っていきます。

そのなかからいくつかピックアップしますと、

説明術① 聞き手とのタイムラグを知れ

映画館での例えが引かれます。

映画館に先に入っていたあなたが、遅れて来た友人を席まで案内すると考えてください。すでに暗闇に慣れているあなたは、通路も良く見えます。そこで、映画館に入ったばかりの友人を足早に誘導しようとします。ところが暗闇に目が慣れていない友人は、歩くのもおぼつかなく、つまずいて転ばないかと恐怖さえ感じているのです。p39

これはプレゼンテーションや商品説明でよく見られる光景をたとえたものです。

話し手は熟知した説明テーマを、初めて説明を聞く人に対して説明します。

話し手は、よく知っている内容ですから、どんどん説明が走り出します。慣れた口調で、その商品の売りを並べ立てます。ですが聞き手にしてみれば初めて聞く内容です。何を言っているか分からずチンプンカンプンになってしまいます。

理解し咀嚼するまでにの「時間のずれ」が生まれてしまうんですね。これを意識できてない説明は「わかりにくい説明」です。

 

◆4 説明術③ しみ入るように話せ

ビール瓶に水を入れるには、ゆっくり注ぎ込むことです。同じように、説明も時間当たりの情報量を小さくする必要があります。p56

 

早口でだらだら説明するということは、大きな塊の情報を注ぎ込むことを意味します。それだけ理解できる人の数を減らしているのです。「間」を取りながら話しましょう。「漏斗の水かさが減る」のには時間がかかるのです。p58

 

説明術・応用編からも

◆5 説明術⑪ 説明は「引率」

人は迷わされることが嫌いです。「迷う」というのは「自分がどこにいるか分からない」という意味でしょう。これは町を歩いている時のような物理的空間の中で迷う場合だけではなく、説明を聞くときも同じです。「今、どこ(何)を説明されているか分からない」のは嫌なものです。

 

 【感想】

上にあげた説明術のほかにも紹介したいものがたくさんありました。

なかには「説明の弱点から注意をそらす方法」(p111)なんてのも4つほど載っていたりします。

 

さて、この一冊を読みながら、デジカメを買いに家電量販店に行った日のことを思い出しました。

説明する人としてその場に居るはずの販売員が、まったく説明ができないという貴重な体験をしました。また別のエントリーで書いてみたいと思います。